ETFでドルコスト平均法の活用が可能な唯一の方法

ETF ETF

以前、国内ETFの選び方やおすすめの銘柄を記事にまとめました。


投資信託は定額積立可能ですが、ETFは市場価格に対する取引単位でのみ取扱いが可能なのでドルコスト平均法が機能しないことは以前の記事で述べています。


しかし、これを覆す方法が実はあったんです。


今回はそれを記事にまとめました。


早速ですが、ETFでドルコスト平均法を活用する方法

それはSMBC日興証券の金額・株数指定取引(愛称:キンカブ)というサービスで取引をすることです。


それでは詳細をまとめていきましょう。



金額・株数指定取引(愛称:キンカブ)とは

通常株式投資を行おうとした場合、銘柄ごとに定められた売買単位の制約から不都合を感じたことがないでしょうか。「金額・株数指定取引(愛称:キンカブ)」なら、売買単位に縛られることなく、100円以上の金額や株数を指定して株式をお取引いただけます。

「金額・株数指定取引(愛称:キンカブ)」は、リスク分散や株式投資の自由度の観点からお客様の資産運用の一助となることを目的に開発された当社独自の商品です。従来の売買手法では困難であった「等金額投資」(100銘柄に1万円ずつ投資するなど)やお客様独自で投資配分を決めてポートフォリオを構築するといった自由な投資が可能になります。

SMBC日興証券:金額・株数指定取引 – 取引のご案内 – より引用


つまり、100円以上の指定した金額で個別株やETFを購入することが可能になるため、毎月同じ額で積立可能となり、ドルコスト平均法が活用できます。

また個別株で分散するには数百万円程度必要でしたが、キンカブで取引することで少額からでも個別株の分散投資が可能と言うことを謳っています。



特徴

  • 市場価格関係なく、100円以上、100円単位で指定した金額で売買できる
  • 売買単位に関係なく、小数点以下5位までの株数を売買可能
  • 金額指定注文であれば、100円以上、100円単位で注文可能なので、一般NISAの非課税枠を無駄なく利用できる
  • 持分数量に合わせて、比例按分された配当金を受け取れる
  • 単元未満株も単元株数に達したら、単元株として保護預かり口座に振替可能
  • 定期定額売買可能で投資信託と同様に毎月自動積立設定可能
  • スポット購入注文ではdポイントを利用して売買できる


手数料

売買手数料はありませんが、スプレッドで約定単価が調整されます。

概算注文金額買付売却
100万円以下0.0%0.5%
100万円超1.0%1.0%
※約定の際の単価は買付時は円未満切上げ、売却時は円未満切捨て

上記の表より、買付時はスプレッド分高くなった価格での買付、売却時はスプレッド分安くなった価格での売却になります。

わかりやすく例を挙げましょう。


  • 110万円で株価が2000円の銘柄を買付する場合

2000円の1.0%高い2020円で約定し、110万円分買付することになるので、544.55445株を保有することになります。

実質コストは[約定した株数×スプレッド差]で計算できるので110万円に対して10891円かかることになります。


  • 株価が2000円の銘柄を100万円分売却する場合

2000円の0.5%安い1990円で約定し、100万円分売却することになるので、502.51256株を換金することになります。

実質コストは100万円に対して5025円


  • 株価が2000円の銘柄を110万円分売却する場合

2000円の1.0%安い1980円で約定し、110万円売却することになるので、555.55555株を換金することになります。

実質コストは110万円に対して11111円



100万円までの買付は手数料がかからないので、少額から始める方は非常におすすめです。

ただ売却の場合0.5%、1.0%のスプレッドはその他の証券会社の売買委託手数料と比べると割高です。

しかし、出口戦略がありますので後述します。



対象銘柄


ETFやREIT含む東証一部、二部、マザーズ、ジャスダックの3812銘柄から選択できますので、投資先は豊富です。

自身の投資したい個別銘柄で一度に100株買う余裕がない場合は、地道に買い集めていくという方法が有効となります。

もちろん単元株になれば優待を受けられるようになります。



ETFの対象銘柄は少ないですが、私が以前の記事ですすめていたETFの内、4つの銘柄が対象となるので、検討する価値があるのではないかと思います。

1306:NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信

1343:NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信

1541:純プラチナ上場信託(現物国内保管型)

1542:純銀上場信託(現物国内保管型)




定期定額売買ルール

  • 売買月:毎月、奇数月、偶数月から指定可能
  • 売買日
    • 買付設定5日、10日、15日、20日、25日
    • 売却設定は10日のみ

(同一銘柄で指定日の5回分の買付設定も可能)

  • 設定金額
    • 1銘柄につき100円以上100円単位で設定可能
    • 100万円以上の指定は不可
    • また買付金額を増額するボーナス月を2つまで設定可能。
  • 設定件数:買付、売却それぞれ20件まで設定可能
  • 約定タイミング:前場始値


dポイントで投資

dポイント 1Pt=1円として「日興フロッギー+ docomo」経由で、キンカブ取引でのスポット購入注文が可能です。キンカブ定期定額売買でのdポイント使用はできません。

売買ルールはキンカブ同様ですが、一度の注文において30000Ptまでの上限があります。

最近はポイント投資が流行っていますので、ポイントの使い道に困っている方は「日興フロッギー+ docomo」を利用する価値ありです。



キンカブ取引売却の出口戦略

売却の場合0.5%、1.0%のスプレッドがかかり、その他の証券会社の売買委託手数料と比べると割高であるという説明をしました。

しかし、スプレッドコストより安い手数料で売却する方法があります。

それはキンカブの特徴で挙げられた単元株への口座振替です。

単元株振替を行うことで、売却時の手数料は国内株式の売買委託手数料が適用されます。

約定代金売買委託手数料
〜10万円137円
〜20万円198円
〜30万円275円
〜50万円440円
〜100万円880円
〜200万円1650円

キンカブ取引による売却よりもはるかにコストが安くなります。

これを知れば、必ず単元株への振替後に売却が鉄則と言えるでしょう。



まとめ


ETFでドルコスト平均法を活用する唯一の方法について解説しました。

キンカブは100円からの少額で個別株やETFなどに毎月定額で自動積立可能な点が非常に魅力的なサービスです。

定期定額買付タイミングも多様化されており、個々の給料日に合わせたタイミングでの投資が可能で、親切さを感じます。


また2020年10月9日から7本のETFが対象銘柄に追加されるなど、今後もETFの追加が期待されます。


近年、流行っているポイント投資も採用され、dポイントを有効活用できますし、投資をしたことがない人にとっても、ポイント投資から勉強するというのも一つの手段として有用です。


売却時のコストは単元未満株では割高ですが、単元株への振替により売却時のコストを抑えることが可能です。100万円までの買付コストがかからない点を考慮すれば、売買における総コストは比較的抑えられた運用ができると思います。


ただ株式やETFを1単位で取引する場合は買付したい株価で購入することが可能ですが、キンカブでは前場か後場の始値での約定となってしまうという唯一のデメリットもあります。

しかし投資信託などは一日の決められた基準価格で取引されるわけで、投資信託と何ら変わらず、長期積立投資においては気にすることのない小さなデメリットです。

むしろキンカブはそれ以上の大きなメリットを享受できていると考えます。


ETFも市場価格に惑わされることなく積立投資が可能となり、投資初心者でもETF取引へ参入しやすくなったサービスだと思います。

100円からでもいいので、勉強のためにも是非始めて欲しいと思う。




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