セクターローテーション戦略 〜経済の四季〜

ETF

景気には大きく分けて4つのパターンがあります。
期間は定まっていないものの、4つの景気サイクルを繰り返す特徴があり、不況期→回復期→好況期→後退期→不況期の順で移行していきます。

そこで今回は景気サイクルにおけるセクターローテーション戦略についての記事を書きます。


セクターローテーションとは

景気サイクルに合わせて、投資対象のセクター(業種)を変えていくという投資戦略の一つです。

景気サイクル

上記の図はMarket Hackを元に自作した図になります。


各景気ごとにパフォーマンスが良いとされるセクターが存在するため、景気サイクルを予想することでどの局面でも良いパフォーマンスを期待することができます。

現実的には景気循環を予測して、投資することは難易度も高く、個別株の場合は資金も多く必要なので、個人投資家ではなかなか難しいと思います。

しかしセクターローテーションを見分ける上で、景気と金利のセクターローテーションによる相関関係から、1ついえることがあります。

それは突出していずれかの強いセクターが必ずあるということです。
このことから、いま滞留しているエリアを理解すると、どのセクターの株が買われやすくなるのかを予想することができます。

そのためにセクターごとの特徴を理解しましょう。


セクターごとの特徴

  • 景気敏感セクター
    その名の通り、景気動向に対して最も敏感に反応するセクターになります。景気が拡大局面にある場合、機械や自動車などへの投資や購買欲が旺盛になるため、工業系やそれの元となる素材関連が活況になります。
景気敏感セクター

東証33業種で当てはまるセクターは繊維製品、パルプ・紙、化学、ゴム製品・輸送用機器、機械、電気機器、精密機器になります。

景気敏感セクターが活発になり、株価が上昇するということは、他の業種にも波及し、経済全体が押し上げるような流れになります。


  • ディフェンシブセクター
    景気後退局面においては生活必需品などの景気変動の影響を受けにくいセクターへ移行し、投資家が守りを固めるイメージからディフェンシブセクターと言われています。
ディフェンシブセクター

東証33業種:水産・農林業、食品、鉱業、石油・石炭製品、医薬品、電気・ガス業、情報・通信業
などがあり、運輸・物流などのインフラ系も挙げられます。


  • 金利敏感セクター
    景気変動とは関係なく、金利の変動に影響されるセクターになります。
金利敏感セクター

東証33業種:銀行業、証券・先物取引業、保険業、不動産が当てはまります。

これらは金利上昇局面において買われるセクターになります。
またハイテク関連株は景気を牽引するセクターで低金利で景気上昇へ移行する局面で活発になります。


さてセクターごとの特徴を理解した上でどのように投資するか
おすすめはETFです。


セクターETFで投資する

資金があり上級者であれば個別株での投資も可能ですが、個別株は企業ごとの業績や指標を分析する必要があり、銘柄を絞り込むことが非常に難しいと思います。

そのため初心者〜中級者は複数銘柄に分散でき、少額からできるETFを活用するべきだと思います。


セクターETFの種類

国内では主に野村アセットマネジメントから提供されているNEXT FUNDSシリーズのETFで18銘柄あります。

銘柄純資産総額[百万円]信託報酬[税抜]
【1615】東証銀行業株価指数連動型上場投信32,0900.19%
【1617】TOPIX-17食品5730.32%
【1618】TOPIX-17エネルギー資源4570.32%
【1619】TOPIX-17建設・資材7010.32%
【1620】TOPIX-17素材・化学1,3080.32%
【1621】TOPIX-17医薬品1,2600.32%
【1622】TOPIX-17自動車・輸送機1,0080.32%
【1623】TOPIX-17鉄鋼・非鉄2840.32%
【1624】TOPIX-17機械9370.32%
【1625】TOPIX-17電機・精密1,4590.32%
【1626】TOPIX-17情報通信・サービスその他1,4200.32%
【1627】TOPIX-17電力・ガス2950.32%
【1628】TOPIX-17運輸・物流6260.32%
【1629】TOPIX-17商社・卸売9300.32%
【1630】TOPIX-17小売7260.32%
【1631】TOPIX-17銀行9390.32%
【1632】TOPIX-17金融(除く銀行)1610.32%
【1633】TOPIX-17不動産4260.32%

純資産総額や流動性、出来高の観点から買っても良いと思えるものは【1615】東証銀行業株価指数連動型上場投信くらいで、上記の銘柄でうまく運用するのはなかなか難しいと思います。


やはりマーケットの規模からも米国ETFをおすすめしたいです。
特に米国ETFの中でも純資産総額の大きいステート・ストリートのSPDRシリーズが良いと考えています。

銘柄純資産総額[百万円]経費率[税抜]
【XLB】素材セレクト・セクター SPDR ファンド647,2080.12%
【XLC】コミュニケーション・サービス・セレクト・セクター SPDR1,316,6610.12%
【XLE】エネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド 1,922,1070.12%
【XLF】金融セレクト・セクター SPDR ファンド3,199,1050.12%
【XLI】資本財セレクト・セクター SPDR ファンド1,706,7910.12%
【XLK】テクノロジー・セレクト・セクター SPDR ファンド4,201,3970.12%
【XLP】生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド1,140,5890.12%
【XLRE】不動産セレクト・セクター SPDR ファンド239,3450.12%
【XLU】公益事業セレクト・セクター SPDR ファンド1,311,8340.12%
【XLV】ヘルスケア・セレクト・セクター SPDR ファンド2,602,7880.12%
【XLY】一般消費財セレクト・セクター SPDR ファンド2,061,8740.12%

国内ETFと比べてファンドの規模、経費率が明らかに優れています。

セクターETFで運用を考える場合は、米国ETFが望ましいです。


セクターローテーション戦略

個人の考え方次第ですが、概ね3つのパターンで分けられると思います。

  • 景気サイクルを追って、強いセクターに絞って投資をする
    上級者向けですね。景気の循環を的確に予想し、景気の状況に合わせて投資するセクターを選んでいくので高いパフォーマンスが得られるかもしれませんが、非常に難易度の高いものです。

  • 様々なセクターを分散し保有する
    景気循環の予想が難しいため、それぞれの景気局面に強いセクターをバランスよく保有することで、自身の資産の動きにより、強いセクターが目に見えてわかるので、セクターローテーションが捉えやすいと思います。
    明らかに強いセクターがあれば短期的に買い増ししたり、リバランスをして、パフォーマンスをあげることも可能です。

  • 自身が保有する株価指数の構成比率の低いセクターに投資する
    日経平均株価やTOPIX、S&P500などの株価指数のセクター比率上位は電気機器や情報・通信、医薬品などのヘルスケア株が占め、反対に素材やエネルギー関連の比率が低いです。
    そのため株価指数のインデックス投資と合わせて、構成比率の低い素材やエネルギー関連のセクターETFを少額で保有するというのも一つの手であると思います。

今はどの局面に位置にするの?

一番気になるところであると思いますが、私の考察を述べます。

2020年はNASDAQの急激な上昇からハイテク株が強かったのは誰もが知っている事実であると思います。
またコロナウイルス感染拡大による経済の落ち込みを受けて、金融緩和で極限まで金利が引き下げられました。
今ではアメリカ国債利回りも上昇し、銀行株が上がり始め、節目を突破するかといったような相場状況です。

図で示すと感覚的に赤丸の局面ではないかと推測しています。
最近の株価の上昇も実体経済とは裏腹にコロナ回復への期待感から織込まれているのかといった見方です。

景気局面

おそらくこれからは工業系や素材系、エネルギー関連株などへシフトしていくことが予想されます。
また素材株と関連してコモディティなども注目されるかもしれません。


実際に金融及び工業系や素材系、エネルギー関連株のETFの週足チャートを確認しましょう。


【XLF】金融セレクト・セクター SPDR ファンド

【XLF】金融セレクト・セクター SPDR ファンド

コロナ暴落前の高値を週末にローソク足実体が超えて確定しました。
ここから強い上昇が生まれるかわかりませんが、期待できるような相場状況を示しています。


【XLI】資本財セレクト・セクター SPDR ファンド

【XLI】資本財セレクト・セクター SPDR ファンド

工業株のETFになりますが、もうすでに上昇していてコロナ前の高値を超えてきています。
またコロナ前の高値でサポートされるような形で押し目を作り上昇しているので、これもまた期待が持てる相場状況です。


【XLB】素材セレクト・セクター SPDR ファンド

【XLB】素材セレクト・セクター SPDR ファンド

素材株は工業株をさらに上回る上昇を示しています。


【XLE】エネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド 

【XLE】エネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド

すでにあげた3つのチャートとは明らかに雰囲気が異なり、下降トレンドがやっと落ち着いてきたかというような相場状況です。
2020年6月に付けた46.88ドルのポイントを超えてくるような動きを見せれば、上昇目線に切り替わり期待がもてそうな状況です。


これからどう立ち回るか

これからどのように立ち回るか、私のこれからの投資行動を元に述べます。

まず景気サイクルを完全に読むことは困難であると思うので分散をおすすめします。

  1. 金融ETFを保有しながら、工業株、素材株をポートフォリオに組み入れる
  2. 長期的に保有している金、銀ETFの買い増しを検討し、コモディティの保有比率を高める
  3. まだまだ上昇の余地があるエネルギー関連株を多めに保有する

上記のような計画で立ち回るつもりでいます。

またマーケット情報でセクターごとの騰落率も調べることができるので、それを参考にするのも有用であると思います。


まとめ

今回はセクターローテーション戦略について述べました。

景気サイクルを分析して、個別株でのセクターローテーションは非常に難易度が高いので、おすすめしません。

しかし様々な業種があるなかで、セクターの概念を理解し、ある程度のセクターに絞って運用すれば、アウトパフォームすることも不可能ではありません。
また景気サイクルをある程度理解し、セクターローテーションに取り組むことで投資スキルも向上すると考えられます。

インデックス運用をしている方がほとんどでしょうから、積極的にセクターローテーション投資をする必要はないと考えますが、少額からでも挑戦し、自身の投資スキルの引出しを増やすという意味でも非常に価値ある投資戦略であると思います。

私自身、今後も市場全体の動向を分析し、セクターローテーションに取り組んでいくつもりですので、新たな展開が予想される場合は、記事にしていこうと思います。

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