投資信託を選ぶ基準 〜最低限2つの点は注目しよう〜

投資信託 投資

今回は投資信託を選ぶ基準についてに記事です。

投資信託は大きく分けて2種類

インデックスファンドとアクティブファンドがあります。



  • インデックスファンド

指数連動型で、日本では日経平均株価やTOPIX、米国はS&P500やNYダウのような株価指数と同じ値動きをするように運用する目的のファンドです。

比較的コストが安く、市場全体に幅広く投資でき、世界経済の動きに連動するので情報が得やすい利点があります。



  • アクティブファンド

ファンド個々の目的に合わせて銘柄を選別し、指数を上回る運用成果を得る目的とするファンドです。

銘柄選別するファンドマネージャーなどの人件費を有するので、インデックスファンドと比べるとコストが高いです。

自分の投資したいテーマや目的にあったファンドが見つかれば有用ですし、指数以上の運用成績を上げられる可能性がありますが、運用成績が指数を下回るリスクもあるので、難しい一面もあります。

ここで、投資初心者が最低限気にした方が良い点2つをまとめます。


  • 信託報酬
  • 純資産総額


信託報酬

要するに管理費用のことで、コストの安い方がパフォーマンスも良いです。

三菱UFJ国際投信が運用している有名なインデックスファンド

eMAXIS Slimシリーズは信託報酬が低水準の0.0968%〜0.22%で運用されおり、一つの指標になると思います。

以下に、S&P500を対象とした2つのファンドとそれぞれの信託報酬を挙げます。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・0.0968%

つみたて米国株式(S&P500)・・・0.22%

両銘柄ともS&P500を対象としたファンドですが、0.1232%の信託報酬の差があります。

この信託報酬の違いでどれだけ影響があるのか。

私が作成したシミュレーションで毎年40万を20年間積み立て、年平均利回りが6%だったときの投資元本と運用収益の合計の差を比較してみました。


eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) ・・・15,411,207円

シミュレーション

つみたて米国株式(S&P500) ・・・15,178,216円

シミュレーション

およそ23万円の違いです。せっかく投資するなら手数料を安くするように、こだわりたいですね。


一方、アクティブファンドの信託報酬において、つみたてNISA対象銘柄では
0.902%〜1.65%程度、インデックスファンドと比べれば、明らかにコストが高いです。

アクティブファンドがインデックスファンド同等の年平均利回り6%の運用成績で
信託報酬が1%と仮定し、毎年40万を20年積み立てたときのシミュレーションをしました。

シミュレーション

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のシミュレーション結果とおよそ160万円の差で期末残高が少ないです。

アクティブファンドは銘柄選定が、とても重要になるので初心者はインデックスファンドから選ぶのが無難だといえます。



純資産総額

簡単に言うとファンドの規模のことです。

基準価額×購入口数=純資産総額 より計算されます。

ファンドは投資家から集めた資金で運用されるので、運用資金が大きいほど、運用の幅が広がり、コストを抑えた安定的な運用に繋がります。

反対に純資産総額が少ないと、運用を続けるのが困難になり、繰り上げ償還されるリスクがあります。長期投資によりメリットが得られるのに途中で売却せざるを得ない状況になっては元も子もないです。

実際どれくらいの純資産額がボーダーラインなのか。

インデックスファンドで言えば10億円以上だといわれていますが、30億から50億以上は超えていると安心できます。

ここでも一つの指標として私が考えるのは、eMAXIS Slimシリーズです。

eMAXIS Slimシリーズで純資産が低いのは

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)・・・26.8億円

続いて

eMAXIS Slim 先進国リートインデックス・・・38.38億

eMAXIS Slim国内リートインデックス・・・44.45億

その他10銘柄は50億を超えています

この点から考えても基準はおよそ30億以上と考えて良いのではないでしょうか。

参考になる記事もありましたので、記載させていただきました。

繰上償還されたファンドの傾向を探るために、2015年12月末時点で運用されていた5,047ファンド中、2016年1月以降に繰上償還が決定し、かつ2018年5月末までに繰上償還した309ファンドを調べた。結果を見ると、繰上償還の最大の要因としては、ファンドの純資産額が大きく影響している。2015年12月末時点で運用されていたファンドのうちその後償還したファンドの比率を「繰上償還比率」として見たところ、全体の繰上償還比率は6.1%となっている。同月末時点の純資産額の水準で区切って同比率を見ると、純資産額が10億円以上~30億円未満が3.1%にとどまっているのに対して、3億円以上~10億円未満になると13.2%と大きく差が開いており、10億円という水準が繰上償還の可能性が高まる一つの目安となる。

モーニングスター:繰上償還の“実態”-注意すべき純資産額の水準は? より引用


また純資産総額は金額だけでなく、直近の純資産総額の増減にも注目しておいた方が無難でしょう。

基準価額×購入口数=純資産総額からわかるように、純資産総額が減少している状況は、運用している株式や債券価格(基準価格)などが値下がりした場合、または投資家の解約や売却による資金の流出によるものであると考えられます。

株式や債券の資産価値の値下がりは気にしなくていいですが、解約や売却による運用資金の減少は繰り上げ償還のリスクを伴います。



また純資産の急激な増加も警戒したほうが良いかもしれません。

これはアクティブファンドにおいて言えることですが、金融機関などが積極的にファンドをアピールして投資家から運用資金を集めている可能性が考えられます。

テーマ型ファンドなど流行が廃れると、自分が投資したタイミングで先行した投資家たちの解約・売却で資金流出が相次いで、繰り上げ償還なんてこともあり得ます。



まとめ

投資初心者が最低限、気にするべき2つの点を説明しました。


信託報酬の基準はeMAXIS Slimシリーズの0.22%以内

純資産総額においてもeMAXIS Slimシリーズのおよそ30億から50億円以上



つまりeMAXIS Slimシリーズのインデックスファンドから選べば間違いないということです。

もちろんeMAXIS SlimシリーズはつみたてNISA対象銘柄です。



尚、アクティブファンドがすすめられないということではなく、あくまで投資初心者には、まずインデックスファンドから始めようということを伝えたいのです。

まだつみたてNISAを始めていない方、興味が湧いてきましたか?

投資に挑戦してみようかなと勇気は出てきましたか?

NISA口座開設数も日本の人口と比べると、まだまだ少ないです。

少額からでも良いので始めるだけで、他者と差をつけられるチャンスです。

みなさまの生活が少しでも豊かになればと思い、これからも有用な記事を書き続けていきます。

次回をお楽しみに。どうぞよろしくお願いします。



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